あなたしか見えなくして
隣のクラスの狭山智里がいた。狭山智里。身長は百八十センチ以上。肩幅は広い。百七十センチくらいの翔太よりも大きい。あまり目立たないがそこそこモテる。スポーツ万能。しかし、部活動には所属してなく帰宅部。サッカー部あたりに入ったらモテモテだろう。髪型は少し長めでワックスをかけてはねさせてる。色は黒。顔は整っていて綺麗な瞳をしいている。
「無理やりするなんて、彼女がいる男がすることじゃない」
智里は翔太をギロッと睨む。
「狭山か。お前には関係ないだろ」
「別に俺には関係ないけど。女に手荒いことするのは男がすることじゃないと思ってたから止めに入っただけ」
「はあ? なに言ってるんだお前。そんなこと言って実は花子のこと好きなんじゃねえの?」
「彼女、震えてるぜ」
将太は花子を見る。
「花子?」
「ごめんなさい。私……」
今、言わなきゃ。第三者が見てるから言わなきゃ。「私と別れてください」って。今なら絶対に言える。二人っきりじゃ絶対に言えないから。自分勝手だけど、仕方ないんだ。周りの友達は、ほとんど彼氏がいるからって告白してくれた翔太と好きでもないのに付き合ってる私が悪い。
「なに……?」
震えている花子に恐る恐る聞く。
「なんで、あなたとキスしないと思う?」
直球に言えない花子は遠まわしに質問する。
「……分からない」
スウっと息を吸うと花子は意を決して言う。
「あなたの事が恋人として好きじゃないから」
「無理やりするなんて、彼女がいる男がすることじゃない」
智里は翔太をギロッと睨む。
「狭山か。お前には関係ないだろ」
「別に俺には関係ないけど。女に手荒いことするのは男がすることじゃないと思ってたから止めに入っただけ」
「はあ? なに言ってるんだお前。そんなこと言って実は花子のこと好きなんじゃねえの?」
「彼女、震えてるぜ」
将太は花子を見る。
「花子?」
「ごめんなさい。私……」
今、言わなきゃ。第三者が見てるから言わなきゃ。「私と別れてください」って。今なら絶対に言える。二人っきりじゃ絶対に言えないから。自分勝手だけど、仕方ないんだ。周りの友達は、ほとんど彼氏がいるからって告白してくれた翔太と好きでもないのに付き合ってる私が悪い。
「なに……?」
震えている花子に恐る恐る聞く。
「なんで、あなたとキスしないと思う?」
直球に言えない花子は遠まわしに質問する。
「……分からない」
スウっと息を吸うと花子は意を決して言う。
「あなたの事が恋人として好きじゃないから」