あなたしか見えなくして
 髪を離すと頭を撫でる。
「他の女の子にもそんなことするの?」
 花子は不思議そうに智里を見上げる。
「ん? お前が初めてかな」
「私のことまさか……好き?」
「誰が誰のことを好きだって?」
「ごめん……。今の聞かなかったことにして」
「そうする」
 夕焼けの光が優しく二人を包みこむ。
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