君のNo.1 ~二人の距離~


聖来君は立ち上がって

あたしに顔を近づけ

また睨んできた

ものすごい怒ってる空気を出していた

だけど聖来君の瞳の奥は悲しそうに見えた


「そんな事されても、あたしは怖くないよ。」


固く握られた聖来君の手にそっと触れ

目を真っ直ぐ見つめた

一瞬聖来君の手から力が抜け

今にも泣き出しそうな顔をした

だけどすぐに厳しい表情に戻り

あたしの手は振り払らわれた


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