どないやねん!
1章
「たちバカ。これやっといたから。」


パソコンの上から、浅井勇輝(アサイ ユウキ)が資料を渡してきた。


勇輝は同い年の営業マンで、会社では2年後輩。顔はイケている方だと思う。


それを分かっているのか、態度がデカい。入って1年目の時は、私もそうとう色々注意はしたが、1度注意した事は直そうと努力しているのが分かるので、日に日に叱る事も少なくなった。


今では私の、一番息の合うパートナーだ。


私、橘茜(タチバナ アカネ)は近代鋼鉄製作所で営業事務をしている。


担当営業マンは6人。バブルの時は、営業マン1人に対して事務が2人だった事を考えると、今の時代は女性に厳しいとしみじみ感じさせられる。


いや、私が何でもかんでも仕事を引き受けすぎるのかもしれない。2年前に比べたら、かなり仕事を断れるようにはなった。


おかげで、平均22時終わりから、平均20時終わりになった。これは大きな進歩だ。


時短の為に、私は後輩指導にかなり力を入れている。早く後輩に1人前になってもらい、私の仕事を振る為だ。勇輝は私が指導した為、1番やりやすい営業マンになった。

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