続・俺の恋愛【BL】
「ごめん。あの時、気付いてやれればよかったのかもな。でももう遅いんだ。俺はもう有城を好きじゃない」
祥子は瞳を潤ませ、悲しそうに目を伏せた。
「…誰なの……好きな人って。この大学の人?」
それでも直後には勝気そうな瞳で俺を見上げて、そう問いただしてくる。
「っ……」
俺は一瞬躊躇した。
もともとはノーマルの俺だ。
好きな奴が男だと言うにはやっぱり勇気がいるのかもしれない。
「ねぇ、悠斗」
答えを急かすように、俺の名前を呼ぶ祥子の視線から俺は逃げ出した。
「…ここにいるだろ」
俺は祥子の首筋を見つめて、静かに答えた。
「えっ…?」
祥子は途端に眉間に皺を寄せて、意味がわからないといった感じで聞き返してきた。
「俺が好きな奴はここにいる聖治だ」
今度ははっきりと、澱みのない声で祥子に告げる。