続・俺の恋愛【BL】
「や、だ…やめて……やめてぇっ!!」
祥子の耳をつんざくような声で我に返った俺は、ぱっと聖治から唇を離した。
祥子に見られていたんだという恥ずかしさから、顔がカッと熱くなるのがわかった。
そんな俺を聖治はさらに強く抱き締めた。
「気持ち悪いことしないでっ!!離れなさいよっ!!悠斗が男を好きになるなんてありえないでしょ!?どうしちゃったのよっ!?」
「…それでも、これが事実だ」
飛んでくる嫌悪感たっぷりの祥子の声にざわざわと苛立ちが湧いてくる。
けど、声を荒げるのが嫌でなんとか冷静に短く答えた。
「…男同士で恋愛なんてバカげてる!私は認めない!!」
「有城にどう思われようがこれが俺の答えだ。おまえに認めてもらおうなんて思ってない。わかったら帰ってくれ」
変わらない祥子の声音に俺は冷たく言い放つ。
「っ……!!」
俺と聖治のキスを目の当たりにした祥子の瞳には、ずっと涙が溜まっていた。
その涙がとうとう大きく見開いたその瞳から溢れ出す。
「…こんなの、悠斗じゃない……ゆう、とのバカっ!!」
次々と溢れ出す涙を拭いもせずに俺を睨み付けた祥子。
涙を流す祥子を目の前にして、俺はズキズキと心が痛み出す。
それでも俺はもう祥子のその涙を拭ってやることはないと確信した瞬間だった。