続・俺の恋愛【BL】
なにも言えない俺に、なにを思ったのか、ふとかげる聖治の表情。
瞬時に不味いと悟った俺は、とにかくなにか言うべきだと口を開く。
その瞬間…
ばしっ、という軽快な音と共に俺の後頭部を襲う痛み。
声も出ないほど驚いた俺の背後で、ゲラゲラと笑う声。
ゆっくりと振り返り見れば、誰あろう俺と腐れ縁である和輝がノートを手に笑い転げる姿。
その手にしているノートで俺の後頭部を叩いたんだと、理解した。
直後に沸々と湧き上がる怒りに任せて、おもいっきり和輝を睨みつけた。
「いや、悪い。けど、悠斗の顔があまりにも傑作で…っ…くくっ」
睨みつける俺に気付いた和輝が、なんとか笑いを収め口を開いたかと思えば、最後には再び笑いが込み上げてきたのか咽を鳴らす始末。
どうして俺の顔のことで笑われなきゃなんねぇんだと、憤慨しつつも笑いの収まらない和輝を放置し、聖治へと向き直る。
「悪いな、聖治」
「いいよ。それより大丈夫だった?」
と、自分の頭部を示しながら聞いてくる聖治に「たいしたことない」と軽く返して、続けて言う。
「あのさ…俺だって嬉しいに決まってるだろ」
そう言うと、聖治は一瞬きょとんとした顔で俺を見た。