続・俺の恋愛【BL】


それを見られていたのかと思うと、恥ずかしさよりも絶望感にも似た感情が俺を襲う。
そして一番の不安要素…

「俺が…女みたいだったってのか……?」

ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる和輝に恐る恐る問いかける。
こいつ完全に楽しんでやがる。

「そうだなぁ。あんな緩みきった顔してればからかいたくもなるな」

答えになってるのか、どうなのかよくわからない返答。
けど、俺が完全に聖治の甘い世界に浸っていたことはよくわかった。


「悠斗、そんなに落ち込むことないだろ?」

がっくりと項垂れる俺の顎を持ち上げた聖治が悲しげに言う。

なっ、なんで聖治が泣きそうな顔になるんだ。
情けない姿を晒した俺の方が泣きたいくらいだってのに。

だいたいこの体勢はちょっとまずいだろ。

聖治は俺の顎を持ち上げたまま、グッと顔を近づけている。
まるでキスをする体勢だ。
いや…実際には俺と聖治の間にはテーブルがあって、それが邪魔でキスは無理だろう。
俺が立ち上がらない限りは…
それでも、はたから見ればかなり妖しい。


「…せ、聖治。近い」

俺は慌てて椅子を後ろに引きながら言う。

「……ダメだった?」

その瞳を揺らめかせながら言う聖治に俺は心が痛んだ。


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