続・俺の恋愛【BL】


それを黙ったまま見ていた聖治が、ゆっくりと俺達の横に移動したかと思うと、祥子の腕をとって引っ張り起こした。

「いっ…たいっ!なにするのよっ!」

甲高く叫んで、聖治をきつく睨み付ける。

「…その貧相な身体で悠斗を誘惑するなんていい度胸だね」

シャツが肌蹴た俺の姿と祥子の下着姿。
それを何度か往復して見比べた聖治は、にっこりと笑ってそう言った。

「ひ、貧相ですってっ!?」
「だからそう言ってるでしょ。それから、ここは俺の部屋なんだよね。勝手に上がるのは止めてくれる?」
「勝手じゃないわよっ!悠斗が入れてくれたんだからっ」
「っ!?」

驚いた。
俺は帰れって何度も言ったはずだ。
上がっていいなんて一言も言ってないだろ。

文句を言おうかと思ったが、聖治の発する負のオーラに圧されて口を挟めない。

その代わり、ソファに沈んだままだった俺は、なるべく目立たないようにそろりとソファに座り直し服を整えた。
と、チラリと視線だけを聖治に投げかけられる。

「…そうなの?悠斗」
「はっ!?そ、そんなわけないだろっ」

笑みを残したままの聖治に、恐怖し、慌てて両手を胸の前で振って否定した。

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