続・俺の恋愛【BL】
「どうして祥子って呼んでくれないの?」
「俺はもうおまえの彼氏じゃないからな。有城の彼氏に悪いだろ」
20歳という年齢にして、未だに少女のようなあどけなさを残した祥子の顔が今にも泣き出しそうなほど歪んでいく。その長くて綺麗な睫に彩られた瞳に涙が溜まる。
そんな顔をされると俺はどうしていいのかわからない。
「彼氏なんていないっ!」
そう叫んだ祥子の背後に聖治が現れたのを俺はすぐさま捉えた。
俺の視線は近づいてくる聖治から反れることはなく、祥子の言葉に返事をしてやることはなかった。
「悠斗?」
少し不安そうな声の聖治。
俺は内心の動揺を押し隠し聖治に微笑みかけた。
「授業、終わったのか?」
「あぁ、うん。あの…」
ちらりと祥子を見る聖治。
今の叫びが聞こえていたのかもしれない。