続・俺の恋愛【BL】
「…祥子、おまえ…聖治に会ったか?」
俺の中で引っ掛かったことを、口にしてみる。
が、返答はない。
「聖治に会いに行ったのかって聞いてるんだ」
『…行ったわよっ!それがなにっ!?』
トーンをさげて、強い口調で問いかければ、開き直ったような怒声が返ってきた。
俺は掌で顔半分を覆って、大きく溜息を吐いた。
聖治に何かを言ったのは祥子だったんだ。
バカだ…ちょっと考えればわかることだった。
「…いや、もういい。それよりピアス、本当にいいんだな?」
『いらないって言ってるでしょっ』
「わかった。じゃあ、帰るから」
そう言って祥子の部屋の前から離れた。
祥子なら1人で恋敵となる相手に会いに行く。
そしてあれだけ俺達の事を嫌悪してるんだ。
聖治に何かしらのきつい言葉を浴びせていてもおかしくない。
それに気付かなかったなんて…
でも、何を言ったのかは知らないけど、聖治がもういいって言うんだから、問い詰めることもないだろ。
もう2度と会うこともないだろうし。