続・俺の恋愛【BL】
「ただいまぁ」
「…おかえり。どこに行ってたの?」
リビングのソファで小説を読んでいた聖治が顔を上げて微笑んでくれる。
「ちょっと、有城のところに」
「有城…さん?」
一瞬にして曇ってしまった聖治の顔。
気付かないふりをして、話を続ける。
「この前、ここにピアス落としてったみたいだから、届けたんだけど、会ってもらえなかった。ピアスは捨てといてくれって言われたよ」
「…そう」
小さなピアスを掌に乗せながら言うと、聖治がそのピアスに視線を落とした。
郵便受けにでも入れておこうかとも思ったけど、止めた。
どうしてかわからないけど、そうするべきじゃないと思ったからだ。
俺はピアスをゴミ箱にポトリと落として、それを処分した。
「いいの?捨てちゃって」
「捨てといてくれって言われたんだから、いいんじゃねぇか?俺が持ってても使い道ねぇし。もったいないけど仕方ないだろ」
「…うん」
複雑な表情で頷いた聖治の隣に腰を下ろして、視線を絡めあう。
どちらからともなくキスをして、2人で笑い合った。