続・俺の恋愛【BL】


本当のことを言うべきだろうか…
そう思うが、今この場所で言うこともないと思いなおす。
言うなら2人になった時でいい。
この時間、人が少ないとはいえ、やはりギャラリーがいる中で話なんか出来たもんじゃない。

「彼女は俺の知り合い。でももう帰るらしいから。聖治、とにかく俺らも帰ろう」

そう言って自分の鞄を持ち上げ、聖治を促した。
その間、祥子は言葉を失ったように口を噤んでいたが、俺が祥子を相手にしていないと理解すると悔しそうに下唇を噛み締めた。


「ちょっと悠斗っ!私の話、まだ終わってない!」

声のトーンを上げた祥子の声を無視して、俺は聖治を伴い歩き出した。

相変わらず祥子は大人しそうな外見に似合わず気が強い。
泣き出しそうだった瞳には、もうそんな痕跡は見当たらなかった。

今思えばいつだってそうだった。
泣き出しそうになったかと思えば、怒りだして最後には俺には何も言わせない。

まぁ、普段は明るくて、我が儘なところもあるけど根は優しい奴だったんだけどな。


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