続・俺の恋愛【BL】
元カノの想い


しかし事はそう簡単ではなさそうだ。

というのも、1日経った俺の目の前には昨日と同じく祥子がいるからだ。
と、言っても場所は食堂ではなく大学備え付けの図書館内。

我が大学の図書館には、個室がいくつか用意されている。
なぜかというと、個室にはテレビが設置されていて資料用のビデオ又はDVDが閲覧可能となっているのだ。
数人で使用可能な部屋になっていて防音効果も意外としっかりしている。

なぜそこに祥子といるのかと言うと、聖治と共に図書館に訪れるところを祥子に捕まり、そこならゆっくり話が出来るだろうということになった。

つまり俺と祥子の2人…ということではなくて、聖治を加えての3人でその個室にいるわけだ。


個室に入ってからの数分間、3人ともが何かを探るように一様に口を閉ざしている。
しかもテレビの方向に向けられた4脚の椅子に誰も座ろうとはせずに、突っ立ったまま。

「…で、話って?」
「……」

俺はそれでは埒が明かないと思い、祥子に話すように促す。
しかし、祥子はチラリと聖治を見て口を開こうとしない。
たぶん、無関係であるはずの聖治がここにいることが気にいらないんだろう。


< 8 / 57 >

この作品をシェア

pagetop