【短】さ く ら Ⅱ~オレとキミの空白の時間~


「亜由、その日バイト先に来たでしょ?」


「あぁ。」


「そこで、陽介くんがある女と仲良さそうにしてるのを見た。」


ある女…?


「…雪村、詩音?」


「たしか、そんな名前だったわね。」


……あいつか。


「コンビニ行って帰ってきたら…なんか大変なことになっててさ……。」


「亜由が肩を押されたか何かで肉じゃが?ひっくり返して、その仕返しに水かけて、何も知らない陽介くんは、亜由じゃなくて、ずぶ濡れの女の方をかばった。」


「それはっ…。」


雪村が言ったんだ。亜由が怒って皿をひっくり返したって……。
たしかに、雪村の言葉を信じたオレも悪いけど、あの状況じゃ、何が正しいかなんて判断できるわけない。


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