桜咲耶の思うまま♪感じるまま♪
しばらくして3限目の授業を受け持つ先生が来て、90分の授業をとりあえずこなした。
授業終了後、5限目まである友達と別れ、足早に家に帰った。
学校から家まで約2時間。
ゆらゆら電車に揺られ、駅からは必死に自転車を乗り家に着いた。
玄関で靴を脱ぎ、階段を上がり居間へ行く。
『ただいま。』
元気良く言った私に、母の返事は無い。
テレビに向かって、呆然としていた。
『咲耶、今日はバイト?』
『バイトやで…。でなんかあったん?』
テレビの方を向き、私は少し聞いてみた。
『電車の事故や。ひどいやろ…』
テレビの画面を見て、自分の目を疑った。
電車が脱線し、マンションに突っ込んでる。
しかも、6両車両のはずなのに5両しかない。
ついでに、車両が『く』の字に曲がっている。
この日はニュースをつければこの事故の報道。
それでも、遠くに見えた事故が、いきなり現実味を帯びて来るなんて、思いもしていなかった。