朱鷺
真理の肩に手を置くと、真理が胸に顔をよせてきた。手を回して、抱きしめる。慣れた手順のように、つい朱鷺は真理の首筋にキスした。首筋の感触が朱鷺は好きだったのだ。ひゅっと震えて真理がゆっくり顔を上げて唇を近づけてくる。・・・唇が厚いな・・・と思った。拒む理由もなく唇を重ねる。
・・・・・・髪の色が違うな・・・シャンプーの匂いも違うな・・・腕は同じくらいかな・・・首筋の色が似てる・・・じゃあ、こんな感触がするのかな・・・責められるのが好きならこんなことしたら喜ぶのかな・・・こんな声を出すのかな・・・ 足は太いのかな・・・尻の手触りは似てるんだろうか・・・中はこれより熱いんだろうか・・・背中からさわったらもっとよがってくれるのかな・・・どんな顔して終わるんだろう・・・
数時間後。隣で寝息をたてている真理に、朱鷺は小さい小さい声で言った
「・・・・・・・ごめん」
朱鷺は研修に、昇進試験にと追われる日々を送った。中途採用のせいでまわりの社員より少し年は上だ。他支店のかわいい社員に目の保養をさせてもらう、一服の清涼感もたまには味わいながら、勉強をしていく。もう25だ。地に足をつけていかないと先が無い。
朱鷺は、二十歳の頃は考えなかったことを考えている。その日暮らしのフリーターで親元だから気楽にいられた。でもいつのまにか母は年をとっていた。遅くにできた子で母は還暦をすでに過ぎている。朱鷺は父を知らない。苦労している母を初めて助けたい、せめて荷物になっちゃいけないと思った。いろいろ心配させて、生き方を正直に話したせいで、大泣きもさせてしまった。母の望むような生き方はできないけれど、せめて普通の会社員にはなろう、それで少しは安心してくれるなら。
気の重い試験が終わり、週末が近づいてくる。合格
・・・・・・髪の色が違うな・・・シャンプーの匂いも違うな・・・腕は同じくらいかな・・・首筋の色が似てる・・・じゃあ、こんな感触がするのかな・・・責められるのが好きならこんなことしたら喜ぶのかな・・・こんな声を出すのかな・・・ 足は太いのかな・・・尻の手触りは似てるんだろうか・・・中はこれより熱いんだろうか・・・背中からさわったらもっとよがってくれるのかな・・・どんな顔して終わるんだろう・・・
数時間後。隣で寝息をたてている真理に、朱鷺は小さい小さい声で言った
「・・・・・・・ごめん」
朱鷺は研修に、昇進試験にと追われる日々を送った。中途採用のせいでまわりの社員より少し年は上だ。他支店のかわいい社員に目の保養をさせてもらう、一服の清涼感もたまには味わいながら、勉強をしていく。もう25だ。地に足をつけていかないと先が無い。
朱鷺は、二十歳の頃は考えなかったことを考えている。その日暮らしのフリーターで親元だから気楽にいられた。でもいつのまにか母は年をとっていた。遅くにできた子で母は還暦をすでに過ぎている。朱鷺は父を知らない。苦労している母を初めて助けたい、せめて荷物になっちゃいけないと思った。いろいろ心配させて、生き方を正直に話したせいで、大泣きもさせてしまった。母の望むような生き方はできないけれど、せめて普通の会社員にはなろう、それで少しは安心してくれるなら。
気の重い試験が終わり、週末が近づいてくる。合格