朱鷺
「・・・・・・・・」
シャワーを浴びていた。先に入った薫は広いベットに座ってTVをながめていた。朱鷺は、来てしまった、来てしまった、と内心ひどく動揺していた。そのくせ、局部を念入りに洗っていた。浴室を出ればバスタオル1枚の薫がいる。バスタオル1枚の・・・
真理の顔がよぎる、タチの悪いことに泣き顔だ。ごめん、で、も・・・もう止まらないかも・・・・・
朱鷺の出てくる気配を感じとって、薫は急いで目薬をたっぷり目にさすと、さらに急いでそれを隠した。
髪を拭き拭き出てきた朱鷺は、気まずそうに薫のいるベットの方向をちらっと見た。朱鷺には、薫が泣いているようにしか見えない。どうやってベットへ近づこうと思っていたのに、泣いている薫に急かされるように隣に座った。
「どうした・・・」
「・・・・怖かった」
「かわいそうに、嫌なもの見ちゃったよな」
どうやってさわろうと思っていたのに、流れで肩を抱いた。
「朱鷺君、来てくれてよかった、ありがとう」
「別に・・・」
ありがとう、と言われて嬉しい、と思った朱鷺の頭に、待てよ、薫は俺にだけ電話したのかな?と疑問がよぎった。あんな時だ、何人もに電話するひまはなかったはずだが。自分だけがアテにされたと思うと、さらに嬉しい。でも、2年も音信不通だったのに、この前といい、今日といいどうして今さら俺を?・・・・
疑問を考えようとしたのに、薫のシャンプーの匂いが鼻をくすぐった。俺、この匂いに弱いんだ。
「朱鷺君・・・」
甘さが増したシロップのような声がした。
「ん?・・・」
シャワーを浴びていた。先に入った薫は広いベットに座ってTVをながめていた。朱鷺は、来てしまった、来てしまった、と内心ひどく動揺していた。そのくせ、局部を念入りに洗っていた。浴室を出ればバスタオル1枚の薫がいる。バスタオル1枚の・・・
真理の顔がよぎる、タチの悪いことに泣き顔だ。ごめん、で、も・・・もう止まらないかも・・・・・
朱鷺の出てくる気配を感じとって、薫は急いで目薬をたっぷり目にさすと、さらに急いでそれを隠した。
髪を拭き拭き出てきた朱鷺は、気まずそうに薫のいるベットの方向をちらっと見た。朱鷺には、薫が泣いているようにしか見えない。どうやってベットへ近づこうと思っていたのに、泣いている薫に急かされるように隣に座った。
「どうした・・・」
「・・・・怖かった」
「かわいそうに、嫌なもの見ちゃったよな」
どうやってさわろうと思っていたのに、流れで肩を抱いた。
「朱鷺君、来てくれてよかった、ありがとう」
「別に・・・」
ありがとう、と言われて嬉しい、と思った朱鷺の頭に、待てよ、薫は俺にだけ電話したのかな?と疑問がよぎった。あんな時だ、何人もに電話するひまはなかったはずだが。自分だけがアテにされたと思うと、さらに嬉しい。でも、2年も音信不通だったのに、この前といい、今日といいどうして今さら俺を?・・・・
疑問を考えようとしたのに、薫のシャンプーの匂いが鼻をくすぐった。俺、この匂いに弱いんだ。
「朱鷺君・・・」
甘さが増したシロップのような声がした。
「ん?・・・」