朱鷺
「好きよ」
薫の顔が、近づいてきた。


 遠慮がちに差し入れた舌をちゅうちゅう吸ってくる。茶色い髪に入れた手のひらに力をこめて、顔をさらに引き寄せる。指の中で薫の髪がくしゃくしゃと鳴る。一方的にされるがままだったキスとはぜんぜん違う。舌がからみあう。真似をして吸ってみる。うううん、声にならない声を薫が漏らした。
 胸にさわり、隆起をさわる。質感がある、重い、乳首もそこもすっかり上を向いている。くびれをキュキュっとこすってやると、あああああと薫が鳴いた。乳首を口に入れて、握る、ゆるゆると上下するとさらに鳴いた。 やわらかいひだを撫でる。熱い。俺もさわって、朱鷺が薫の手を向ける。二人の手が交差する。堅い、と薫がつぶやいた。堅いの好き?と朱鷺が聞いた。好き、とはにかんで薫が言った。
 口を近づけると知らない匂いがした。経験の多くない朱鷺は、いろいろなんだと妙な感心の仕方をした。一瞬正気に返ったが、夢中で舐め回した。薫が鳴きながら首を振っている。嬉しい、ぽってりしたひだも舐めてやる。朱鷺の髪をつかむように薫は押しつけた。
 してあげるね、下半身に回った薫の唇がさわる前に、興奮していた。唇があたったとたんに大声を出しそうになって耐えた。薫に舐められてると思うだけで、ドクドク血がさらに流れ込んで行く気がする。朱鷺君、すごく堅い、熱いよ。うわずった薫の声がさらに刺激になる。
 ぬるぬるの指が出入りする。もっと、と鳴く薫。出し入れする指がぬらぬら光る。いい?朱鷺が聞いた。いいよ、と大きく息を吐きながら薫が言った。
 自分の入る所と、薫の顔を交互に見ながら、朱鷺は身体を進めた。あーーーー、と薫が目をつぶって息を吐く。熱い中に入る快感をゆっくり感じながら、根本まで入ったのを確認して、薫を抱きしめキスする。つ
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