「左手の約束」
「アハハ、友達だよ」
陽菜には悪いがウソをついた。
『ウソつき!』
えっ!
『生まれ育った場所が違う
弥生さんがこの街が
懐かしいって言ってたから
聞いて見たの』
『すると
元カレが住んでる
って言ってたもん・・・』
陽菜は、
とうとう泣きだしたが
話は続ける。
『しかも、あんなに
楽しげな姿を見たら
誰でも気付くよ
・・・ウソつき』
そう言って、信号で止まった
車内から、飛び出して
しまった・・・。
《プー・プップー》
後を追い掛けたかったが、
クラクションを鳴らされたの
で仕方なく車を走らせた。