「左手の約束」
『ねぇねぇ、知ってる?
手の平の中央に×印があると
その人は守護霊に
守られているらしいよ』
「ほぉ~、そうなんだぁ」
相槌を打ちながら
俺も興味が湧いたので
×印を確認した。
″あった!
しかも、
クッキリと刻まれてる″
心の中で叫んだ。
ニヤニヤしながら
陽菜に教えようとしたら。
陽菜は、大袈裟に
天井を見上げ
両手も高くあげて。
『そんな人が本当に
居るのかねぇ?』
と不思議がっていた。
陽菜を気遣い。
「どうなんだろうね」
と、切り返しながら
陽菜にも刻まれていたら
良かったのにと、思った。