『声が聞こえた』で始まるラブストーリー


なんということだろう…



枕の下に本を置いて眠ると、それに纏わる夢を見るとはよく言われているけれど…

まさか本当に夢に出てくるとは、思ってもみなかった。





なんだか、夢の中で必死だった私を思い出すと、無性に恥ずかしさが込み上げてくる。

同時に空しさまでが私の胸をいっぱいにしていた。




ノートを最初から読み返す。

ページをめくりめくり、読んでいるうちに、全て消してしまいたくなった。





まだその後の関係などは書いていないから完結はしていないけど

読み終えて、消しゴムを筆箱から出そうとノートから手を離したした時、



不意に背後からノートを掏り取られた。




!!!??



「えっ、ちょっ…」




ノートの行方を追って、振り返ると、



そこには、安藤君がいた。





一瞬頭が真っ白になってしまった。



安藤君はそのノートを開いて読み始める。





…って、

だめでしょ、読んじゃぁ!!!



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