『声が聞こえた』で始まるラブストーリー


必死に取り返そうとする。



だけど、怖くて

大声で「返してよっ」なんて言えなかった。


ただ、背伸びをしてノートを取り返そうとした。
安藤君との今の関係を壊したくない。
だから、読まれたくないっ…-----


でも、3分もしないうちに、安藤君は読み終わったようで、ノートを閉じ、
それを私に差し出しながら言った。




「これ…告白?」



「…ぇ……」



怖い。彼の顔が見れない。


安藤君、どう思った???

自分みたいな人気者が、私みたいなサエない女のこと好きになるわけないって…
そう思った???

私のこと…友達としても見たくなくなった???




私のこと


…嫌いになった???








降ってきたのは、やっぱり不機嫌そうな安藤君の声。



「へ~ぇ。
緒方さんの物語の中では、俺が告白しちゃうんだ…」


「………」


何も言えない。
空気が重い。


「俺が、負けちゃうんだ?」



……うん?

負ける??どういうこと?

そんなの書いた覚えない…



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