『声が聞こえた』で始まるラブストーリー
え。
え。
ええええっ。
これはまた夢か、夢なのか??
それとも、安藤君のつまらないジョーク??
「…そ、それ…どういうこと…?」
安藤君を見上げた。
気付かなかったけど、安藤君は2年生の時よりもずっと背が伸びていた。
見上げると、顎が軽く上がる。
気付かなかった。
やっぱり安藤君は男だ。
目に入った喉仏がゴクリと動く。
私顔に降ってきたのは、またもや言葉じゃなくて。
安藤君の大きなため息。
「~…緒方さん。
そんなに俺に負けて欲しいの?」
「…え。いや、あの…?」
「そんなにこの物語通りになって欲しいんだ?」
「…はい…??」
意味がわからない。
何のことを言っているんだろうか、いったい。