僕にキが訪れる
『だめ!』


少女の声。

その子猫は酷く人になつきにくく、僕らも最初てこずったのだ。

しかし、少女の声は一寸遅かった。

見知らぬ人の手に怯え、子猫は住処の段ボールから逃げ出していく。


そっちは道路。


車がたくさん行き交う、危険な場所。


大人も言っていた。


急に飛び出すのはよくない、と。


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