僕にキが訪れる
「でも、キミは苦しかったんでしょ?
……あんな病気にかかって、苦しくないわけないし」


「……そんなことない、別に、ラクだったよ」


え、と顔を上げる委員長。



……ここに来て、僕はまた、怖くなっていた。

本当のことを言えばいいのか?

苦しかったと、辛かったと、寂しかったのだ、と。

どうしようもなく弱い自分をさらけ出すのか?

さらけ出して、いいのか?

そうすることで、僕はこの人の気分を悪くしたりはしないだろうか?

それによって、近付いてしまって、また、裏切ることになるのではないか?




……怖い。




< 147 / 206 >

この作品をシェア

pagetop