僕にキが訪れる
「……あのさ、もし私が、鈴木君を裏切ったら、どう思う?」


「……わからない」


「じゃあ、どんなに謝っても、もう許さないって、そう思う?」


「……いや」


もしも、キミに裏切られたのであれば、僕は大いに傷つくだろう。

大切な人に裏切られたショックは、きっと大きいに違いない。

ショックだろうけど、それでも仕方ないと諦めるかもしれない。

けれど、謝るというのであれば。

やっぱり、大切な人のことは、許したいと、そう思う。

何より、やっぱり近くにいたいと思うから。


「私も、同じ」


潤んだ瞳で、委員長は優しく笑った。
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