僕にキが訪れる
……あぁ、そうか。


あの日、公園で感じた寂しさの理由を、今になってようやくわかった。

キミの描く未来に、僕が立っていられないことが。

キミと共にいられないことが、寂しかったんだ。

けど、それはワガママというものだ。

仕方がない。

この状況にならなければ、僕は彼女と仲良くなることなく、この先もずっと孤独を抱えて生きていくことになっていたのだから。

だから、感謝しなくてはならない。

だらだらとただ独り生きていくことと、大切な人と、ほんの一時でもいられること。

どちらが幸せなのかは、人それぞれだろう。


けど、僕は。


今の僕は、後者を迷いなく選ぼう。




そして、その幸福な時間も、もうすぐ終わりを告げる。



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