僕にキが訪れる
まだ体は僕の命令を聞いてくれる状態にあったことに安心する。

関節が、錆びた金属がこすれあうような悲鳴を上げる。

さらに動かそうとすると、ところどころでみしみしと、人間らしからぬ音が鳴った。

もう少し力を入れれば、まさに文字通り木の枝が折れるような、悲壮な音を出すだろう。

若干、いやかなり、痛い。

が、全てを無視した。

今は、多少の無理をしないといけない。
< 178 / 206 >

この作品をシェア

pagetop