僕にキが訪れる
「ちょ、だ、ダメだよ! 何動いてるの!?」


正気に戻った委員長が、僕の無茶を止めようとする。

しかし、それを僕は笑顔で止めた。


「い……きた、い、ところ、が、ある、んだ……」


途切れ途切れに発音しながら、それでもしっかりと自分の意思を伝える。

口を開くことさえ、満足に出来ない。


不自由な体。


けれど、仕方がない。

現状に嘆いている暇はない。

きっと、もう、時間はないのだから。




――これが、最後だ。




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