僕にキが訪れる
そこは、僕の家から徒歩5分のところにある、桜木公園。

もっとも、今なら歩いたらどれだけ時間がかかるかわからないが。

昼間は様々な人が集まり賑わっているこの場所も、辺りがすっかり暗くなった今は、人の気配は全く見られない。

夏の陽気も今はどこへやら、少し涼しい風が、吹いていた。

空にはもう、星が顔を覗かせている。

僕達はお互いに黙ったまま、公園の中央へと向かっていく。

その先には、あの日僕らが座ったベンチがあった。

が、そこには座らず、そのすぐ近くの桜の木の根元を指差した。

その場に、彼女の力を借りて、座り込む。

膝の関節があまり上手く曲がらない。

仕方ないので、膝をまっすぐ伸ばして座った。

少しだらしなく見えるが、仕方ない。

その隣に、委員長が腰掛けた。

少し寒かったけど、彼女と触れ合っている肩の部分だけ、やけに熱く感じた。
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