僕にキが訪れる
彼女は、ただ黙って聞いている。


「……僕はずっと、独り、だった。
それで、いいと思ってたし、これからも、それでいいと、思っていた。
突然、やってきたキミを、僕は、煩わしいとすら、思っていた。
けれど、それは、違うんだ、って。
違っていたんだって。
ここに来て、気付いたんだ。
本当は、ずっと、ずっと、寂し、かったんだ。
誰かに、傍に、来て欲しい、と。
願って、いた。
最後の、最後になって、ようやく、そのチャンスが、来るとは、思ってなかったけど」


口だけが、不思議と動く。

まるで、ロウソクが燃え尽きる最後の瞬間のように。

僕の体が、必死にその命を燃やそうといるかのように。


そして、事実、そうなっていた。


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