僕にキが訪れる
「いや別に。何でもないよ。ただ、何となく」


適当にお茶を濁してとっとと帰してしまおう。

誤魔化しの言葉を並べながら、僕はそんなことを思う。

が、委員長はそれでは納得しなかったらしい。


「何ソレ。理由もなく引きこもるわけないでしょ?
何か理由があるんだったら言いなよ。
少しは軽くなるかもしれないじゃない」


どうやら彼女は僕に何か深い悩みがあると考えたようだ。

確かに悩みといえば悩みかも知れないが、話したところでどうにかなる問題ではない。

何せ現代医学の粋を凝らしてもどうにもならない病だ。

一介の学生でしかない彼女に解決できるわけがない。

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