僕にキが訪れる
自分が悪くないと思っていても謝ってしまうのは僕の悪いクセだ。

コレもクラスでの処世術の1つであった。


しかし実際関係ないのだ。


彼女だってただの引きこもりにそこまで構うことないのに。

そういうお節介焼きなところが、きっと委員長である最大の理由なんだろうな。

僕とはまるで正反対だ。


同じ人間なのかと思うほどに。



「こっちこそ、しつこくしてゴメン……」


そう言ったきり、彼女は口を閉ざした。



それから僕らはお互い言葉を発することなく、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。



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