僕にキが訪れる
「別にそれでもいいよ。
今は、このままでいい」


窓の外をぼんやり眺めながら物憂げに呟く。

すると、ばんっ! と勢いよくテーブルが叩かれた。


「それじゃダメなの!
人間は誰かと一緒じゃないと生きていけない生き物なのよ?
コミュニケーション能力の不足は、円滑な人間関係を築く上で弊害になるし!」


「別に、人間関係なんていらないけど……ていうか、それがイヤだから引きこもるんじゃないの?」


「そ、それはそーだけど……でも、ずっとそのままでいられるわけないじゃない?」


やれやれ、と僕はため息をついた。
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