僕にキが訪れる
「お互いね」


むぅと唸ると彼女は麦茶をコップに注ぎ少し口に含んだ。



そして、沈黙。



自分から話し出すのも億劫だと思い、再び窓の外側に目をやる。

雲は相変わらずどんよりと厚く空を覆っていた。

昨日に引き続き今日も湿気が強くじっとりと暑い。

世間ではいつの間にか梅雨に突入しているらしい。

ニュースも見ていないのでわからないが、多分そうなのだろう。

彼女も不快そうにパタパタと服の中に空気を入れている。
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