僕にキが訪れる
思えば自分には程遠い言葉だと思う。

常に人とは一線を引いて生きてきた。

多分相手もそれを無意識に悟っていたのだろう。

僕に何か深い話をしてくるとかそんなことはなかった。

そんなもんだろう。


人と人との繋がりなんて、細く、脆い。


その証拠に、ほら。


今日までに、この仕事熱心なクラス委員長以外は誰もこの家になんて訪れてやしない。


別にそれに対して不満があるわけではない。


それでいいのだ。


しがらみなどという鬱陶しいもの、僕はいらない。


ただそれを再認識した。それだけのこと。
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