僕にキが訪れる
嬉しそうに、彼女はそう言った。

怒ったり喜んだり忙しい人だ。

しかしそんなことの何が嬉しいのか、僕にはよくわからなかった。

人が笑うことが、そんなに嬉しいことだろうか?

それも、僕と彼女はクラスメイトということ以外はまるで接点がないのに。


……考えてみればほとんど他人だよな。


そんな、他人の笑顔にさえ一喜一憂できる彼女のことが、不思議だった。
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