【短編】SAKURA*MAGIC




「…ッ、もしもし……?」


「あ、希咲?大和から、今日来なくていいってメール来たんだけど……体調どう?」




少し慌てた様子で落ち着きの無い希咲の声を疑問に思いながらも、あんなに心中戸惑っていたくせに、考えていたセリフのようにスルスルと言葉が紡ぎ出されていた。


……そう。

希咲との関係は、ドキドキすることも無く何も考えなくとも会話が出来るような……

メチャクチャ楽な、居心地の良すぎる関係だ。




「え…ッ、うん。大丈夫だよ?
今日、お医者さんからも順調に回復してるって言われたし……
そろそろ、学校も行っていいって言われたから」


「そっか、……よかった、な?」


「うんッ!!カズ、しご…#&*$★!!?」




俺の心底ホッとした声に元気よく答えた希咲だったけれど、何か言い掛けたのにそれは言葉にならず、モゴモゴとくぐもった声として発せられて俺の耳に届いた。



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