【短編】SAKURA*MAGIC
希咲が誰といようが構わないんだけど、……構わないハズなんだけど。
一緒にいるなら『カズとがいい』って言ったくせに、渉といるし。
……ってか、希咲と話してる途中で電話の相手が渉に変わってるのもだし、口を封じられてでもいるかのようにモゴモゴ言ってたのだって、……なんかおかしくないか?
そう考え出したら、キリ無く悪い方にしか考えは及ばなくて……
「母さん!?ゴメン、30分くらい抜けさせて?うん、ゴメン……ありがと!!」
希咲がいるハズの萩原家へと向かうために歩き出しながらも、ちゃんと母さんへ断りの電話を入れて了解を得ると、全速力で走り出していた。
何だかわからないけど、渉に限って変なコトするとかありえないとは思うのに。
一刻も早く、希咲の無事を視界に捉えて確認したい……
ただ、そう思っていた。