【短編】SAKURA*MAGIC
「なんで、渉が希咲といるんだよ?」
「別に、オレが希咲ちゃんといてもいいだろ?
希咲ちゃんとの昼の時間は、和樹だけのもんじゃないんだしさ」
「明らかにおかしいだろ!!
お前と希咲が、二人でいる理由がわかんないし……」
「和樹なら、希咲ちゃんと二人でいてもおかしくないって言いたいのかよ?そっちの方が変だろ。ね、希咲ちゃん?」
「え…っと……、」
渉に同意を求められた希咲は、曖昧に言葉を濁して困った表情を浮かべるばかりで、俺たち二人を窺うように見ている。
風邪が良くなってきたとはいえ、希咲を困らせんなって……
それに、おかしいも何も、さ?
「希咲が俺といたいって望んでくれてるわけだし、別におかしくない」
「それは、希咲ちゃんが望んでるからってだけだろ?
お前の意思は、関係してないのかよ?」
「俺も会いたいからに決まってんだろ!?お前、なんで今日はそんなに突っ掛かってくるんだよ?」