【短編】SAKURA*MAGIC
無自覚な感情の奥底で……




「……それじゃあ、ありがとね?和樹君」


「いえ、またよろしくお願いします。ありがとうございましたッ!!」




大人で美人なお姉様……もといお客様が、ヒラヒラと手を振りながら店を出ていくのをカウンターでお辞儀をして見送っていると、微かに背後から聞こえてくる雑談を自然と耳がキャッチする……




「なんで女の方から、しかもあんなに美人が、和樹を気に入ったからって、毎日花買いに来んだよ?

―――あれか?
和樹がイケメンってヤツだからか?それとも、女には見境なく軽い最低男だから、女の扱いに慣れてるし引き寄せてんのか?」


「さぁ?ルックスも関係してんだろうけど、愛想良いし女好きだし……慣れてはいるかもな?
それと、ほら……女には口調柔らかくなるところとか、明らかに女受け良さそうだし……

オバサンが『和樹が店に出始めてから、女の客足伸びた』って、喜んで話してたし」




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