【短編】SAKURA*MAGIC
オマケに、とてつもなくイヤそうな顔までした大和と頭を擦る俺に、
「やっぱり、希咲ちゃんは和樹に狙われてんだ?……可哀想」
そう気に留めているわけでもなさそうに呟く渉の声が聞こえた瞬間、体が微動だもしないくらい動かなくなった。
俺が、希咲を狙う……?
いや、まさか……ありえないし!!
でも、本音を言うなら……
さっきは本当に、希咲にドキッとした。
桜の下にいる希咲は、可憐さが倍増して儚げで、色白の肌に妙に桜色が色っぽく映えていて……
うん。希咲と桜の組み合わせは、俺の心臓に悪い。
でも、本当……
希咲は狙うとか、そういう対象じゃないと思うんだけど。
「……否定しないってコトは、図星か?はぁー…」
「そんなに、イヤそうにしなくたっていいだろ?……ってか、狙ってねーし」