あなたに会いたくて
教室を出たときは、もう椿はいなかった

だけど、いつもなにかあると椿は屋上に行くので、俺の足は屋上に向かった

長い階段を上がり、屋上のドアをあけた

屋上には、やっぱり椿が立っていた

きっと、泣いていたのだろう

目から涙が流れていた

俺はゆっくり近づいた

「夕月さん」

俺は、椿の名前を優しく呼んだ

そうしたら、俺を見つめて

「どうしたんですか?」

なんてお嬢様のふりをしながら言うから、俺は笑っちゃったよ

だから、思ってなかったけど…

「なに泣いてんだよブス」

なんて言っちゃったんだ

でも、いまになっては言わなきゃ良かったよ…
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