出せない手紙

愛しい君へ

もしも、私も君もこの場所に生まれてこなかったら、絶対にめぐり会うことはなかったね。


もしも、ほんのすこし時間がずれていたら、絶対に存在を知らなかったよ。


好きって気持ちがわからなくなった時、目をつぶって君のことを考えてみたの。

そしたら、君が大切だって思った。


きっと大切だって思うことは好きってことなんだよね?


そうわかったら、もっと大切で愛しい存在に感じたよ。


好き……


気持ちってちゃんと相手に言わないと伝わらないけれど、大好きだからこそ伝えるのが怖くて、拒まれることを恐れて、余計に伝えられなくなるの。

もう、いいよね……?

私と君は、ただの友達。

偶然出会った、


64億人分の1の奇跡でめぐり会った友達……。
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