世界の終りに恋の歌を



嵐の去った朝のことでした。

空はどこまでも青く、高く、ごごごうっと大きな雲が動く音が辺りに響き渡ります。

風はまだ、少し強く、外套が翻るほどです。

海は灰色に濁って、嵐で洗い流したものを海岸に打ち上げていました。

その海岸をひとりの若者が歩いていました。

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