世界の終りに恋の歌を
不審なものでも見る目で見つめる人魚の姫に、王子は微笑みました。

「ごきげんよう、美しい人魚の姫君。海の神によろしくお伝えください」

人魚の姫は、じっと王子をあの漆黒の瞳で見つめて、ふんっと鼻を鳴らすと、身体を翻し遠く、海のお城へ帰って行きました。

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