世界の終りに恋の歌を
月夜の再会
王子は、ぼんやりと砂浜に腰を下していました。

月の光が海面を輝かせる、それは美しい夜でした。

星は手が届きそうな程近く、海は穏やかにさざ波を立てています。

王子は、この海岸で逢った美しい人魚の姫のことが忘れられず、もう二度と逢うことはないと思いながらも、この場所に来ずにはいられませんでした。

どのくらいそうしていたでしょう。

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