世界の終りに恋の歌を
星が東から西へ移動し、昼間の太陽の熱は夜の風に奪われ、辺りはすっかり冷え込みました。

外套を着ていても、少し肌寒いほどです。

王子が海面を見つめていると、遠くできらりと何かが光りました。

それは、こちらに向かって進んでくるようです。

ウミガメの甲羅かイルカの背ビレかと頭では考えながらも王子は、人魚の姫であるなら良いのにと祈るような思いでいました。

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