世界の終りに恋の歌を
「そうですか」

王子はそう驚いた風もなく、その言葉に頷きました。

王子の姿を眺めて人魚の姫が首を少し傾げます。

「心臓はどこかしら?」

「こちらです」

王子は自らの左胸に手をあてました。

「そう。ここね?」

人魚の姫の冷たい手が王子の手に重ねられました。

「はい」

王子が答えます。

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